更新が随分と遅くなってしまい、申し訳ございません。
今回は、前回に少し触れた「ミトコンドリア」について書いていこうと思います。
ちなみに、上の画像はミトコンドリアのイメージ画像です。
ミトコンドリアとは?
ミトコンドリアとは、細胞の中にある細胞小器官で、主に生命のエネルギー源であるATP(アデノシン三リン酸)を作る役割があります。
人の体には約37兆個の細胞がありますが、赤血球を除いたそのすべての細胞にミトコンドリアは存在します。
名前の由来は、形状が糸状であることから、ギリシャ語で糸【mitos】(ミトス)と顆粒【chondros】(コンドロス)からできた造語です。
ちなみに、ミトコンドリア【mitochondria】は複数形の呼び方で、単数形はミトコンドリオン【mitochondrion】といいます。
1つの細胞に何個くらいあるの?
たまに「ミトコンドリアって1つの細胞に何個あるんですか?」という質問を頂きますが、これについては正確に何個と答えることはできません。
なぜなら、ミトコンドリアは常に活発に動いていて測定が難しいからです。
よく、教科書にのっている細胞の図だと、1つの細胞内に2〜3個のミトコンドリアが描かれたりしています。
しかし実際には、2〜3個どころではなく、数百個〜数千個あるといわれています。
また、ミトコンドリアは、時折、2個のミトコンドリアがくっついて1個になったり、1個が2個に分裂したりするので、それも数を正確にカウントできない理由の一つです。
ちなみに何故、くっついたり離れたりするのかというと、日々、ミトコンドリアは活性酸素によるダメージを受けており、その修復のために、くっつくことで足りない材料を他のミトコンドリアからもらって、また離れるという活動をしていると考えられています。
ミトコンドリアが多い場所
冒頭に、すべての細胞にミトコンドリアがあると書きましたが、じつは細胞によってその数は大きく異なります。
ミトコンドリアはエネルギー源のATPを生産するのが主な役割であることから、エネルギーをよく使う箇所に多く存在します。
ということは、やはり最も多いのは筋肉です。
そして、臓器では心臓、膵臓、肝臓などが多いとされています。
話は変わりますが、すべてのミトコンドリアを合わせたとしたら、総重量ってどのくらいあると思いますか?
細胞の大きさの平均が約20μm(200,000分の1メートル)でミトコンドリアはそれよりも小さい2μmですから、せいぜい1〜2kgくらいかなと思いそうですよね?
一説によれば、驚きの体重の10%もあるそうです!
つまり、体重が60kgであれば、6kgはミトコンドリアの重量です!
前回の記事で書きましたが、ミトコンドリアが作る1日のATP総量はおよそ体重と同じくらいですから、体重の10%というのも納得できます。
ミトコンドリアについては、まだまだ面白い話が多いので、この続きは次回にもち越させて頂きます!
次回は、「ミトコンドリアは初めから存在したのか?」について書いていこうと思います!