皆さん、最後にランニングをしたのはいつでしょうか?
「今でも週に1回は走ってるよ」
「もう何年も走ってないなぁ」
「そもそも、ちゃんと走ったことがない」
など、様々な回答がありそうですが、個人的には誰しもに身につけてほしいと思うのが “ランニングスキル” です。
私(大坪)もジムではトレーニング指導を中心にやっておきながら何ですが、そもそも筋力トレーニングだけで総合的な体力をつけるということは非常に難しいです。
なぜなら、“体力”という言葉には様々な意味が含まれているからです。
【体力をつける=筋力をつける】とイメージされている方が多いかと思いますが、じつは体力という言葉はもっと広い概念です。
より細かく見ていくと、体力という言葉には、筋力はもちろんのこと、筋持久力、心肺持久力、瞬発性、平衡性、敏捷性、協働性、巧緻性、柔軟性など、様々な要素を含んでおり、本来、これらを包括的に鍛えることこそが理想的なトレーニングです。
そこでfocusでは、トレイルランニングで経験してきた私の知見を活かして、パーソナルランニングトレーニングを考案し、より包括的な体力の向上を皆さまへご提供したいと考えております。
おそらく、50kmや80kmといったトレイルランニングの実践経験がありながら、それを解剖学的に解説できるトレーナーはほとんどいないのではないかと思います。
高齢者の方などはランニングは少し難しいかもしれませんが、一定以上の筋力レベルを持っている方はぜひランニングは始めた方が良い思います。
ランニングのメリット
ここでランニングのメリットについて、ご紹介したいと思います!
まずは、なんといっても“体一つで、どこでも運動できる”という事です!
(ランニングシューズだけは必要ですが)
そもそも筋力トレーニングというのは、マシンや器具がないとできないので、ジムに行くことが前提なんですね。
そして、行ったとしても「フォームが正確かどうか」「重量設定は最適か」「種目の選択はどうすべきか」など、様々な問題が出てきます。
一方、ランニングは、基本的にシューズさえあれば、どこでも気軽におこなうことができます!
この“どこでもできる”というメリットがどれくらい素晴らしいかというと、例えば、旅行に行ったとして、もしトレーニングしたいなと思っても、なかなかジムを見つけることって難しいですよね。
たまに、ジムが併設されているホテルもありますが、あまりマシンや器具は多くはないですし、トレーニングの為にジムがあるホテルをわざわざ選ぶというのもおかしな話だと思います。(笑)
その点、ランニングは、ウェアに着替えさえすれば、すぐにおこなうことができます!
知らない街をランニングしながら散策でき、自然の豊かな場所だったりすると、綺麗な景色を見ながら最高の運動ができます!
(知らない街でも、現代はスマホがあるので、道にも迷わなくて安心です!)
一汗かけば、夜ご飯も気にせず、たくさん楽しむことができるのも良いところですね!
ランニングで、体の内側と外側に大きな変化が!
ランニングを習慣化できれば、当然、体の内側と外側に大きな変化が現れます!
以下、ランニングで期待できる効果です!
- 体重 & 体脂肪が減少する
- 体のあらゆる場所が、サイズダウンする
- 心肺機能の向上
- 脂質異常症の改善(中性脂肪が減る、HDLコレステロールが増える)
- 汗腺の機能改善
- 肌のコンディションが良くなる
といった感じで、体にとって良い効果が沢山あります!
1つずつ解説していきますね!
体重&体脂肪が減少する
ランニングが体重&体脂肪の減少に及ぼす影響は、非常に高いものがあると考えております。
まず、ボディメイクにおいての体重減少といえば、“体脂肪が減ること”なわけですが、どのような仕組みが代謝されているかご存知でしょうか?
人の第一のエネルギーは言うまでもなく“糖質”です。
そして、第二のエネルギーが体脂肪(中性脂肪)が分解された後の“脂肪酸”です。
その第一のエネルギーである糖質がなくなった時、言い換えるなら、空腹になってきた時に、運動によって活性化するアドレナリンなどの働きにより、体脂肪を分解し、各細胞内で代謝されていきます。
この体脂肪が分解される代謝経路は、基本的に有酸素系と呼ばれる酸素を利用しながらのものなので、無酸素系である筋力トレーニングでは起きない反応です。
したがって、比較的長い時間、軽めの運動をおこなうランニングこそが体脂肪を減らしながら、減量する最適な運動なのです!
体のあらゆる場所が、サイズダウンする
これについても前述した通りですが、体脂肪が減ることによって、全身がサイズダウンします!
基本的には下肢の運動なので、脚の体脂肪が真っ先に落ちそうなイメージはありますが、体脂肪の分解というのは全身に影響します。
経験ある方も多いと思いますが、下肢の運動を沢山やったにも関わらず、顔が痩せてきたりもしますよね。
そのことからも分かる通り、体脂肪の分解というのは全身に作用します。
したがって、脚は当然、細く引き締まりますが、二の腕やウエスト、背中、お顔、あたりも痩せていきます!
心肺機能の向上
心肺機能というと少しイメージが湧きづらいですが、いわゆる“体力がつく”ということですね!
そもそも心肺機能とは何かというと、文字通り、“心臓”と“肺”の機能のことです。
例えば、長い階段を登ったり、電車に間に合いそうになくダッシュをしたりすると、ハァハァと心拍数が爆上がりしますよね。
もちろん強度の高い運動をすれば誰しも息は上がりますが、ほんの少しの運動でそのようになってしまっていたとしたら、心肺機能が落ちている可能性が高いです。
ランニングは、適度に心肺機能に負荷をかけることで、その機能は飛躍的に向上します。
心臓の収縮力&血液循環能力と、肺の酸素摂取能力が上がるためです。
酸素の供給、運搬効率を向上させることで、心拍数は上がりづらくなり、疲労しづらい体になります!
脂質異常症の改善
ランニングが、脂質異常症の改善につながることが分かっています。
血中の脂質の濃度が基準の範囲にない状態のことをいいます。
- 高トリグリセライド血症 空腹時150mg/dL以上、非空腹時175mg/dL以上
- 高LDLコレステロール血症 140mg/dL以上
- 低HDLコレステロール血症 40mg/dL未満
- 高non-HDLコレステロール血症 170mg/dL以上
トリグリセライド(中性脂肪)やLDLコレステロールが高く、HDLコレステロールが低い、あるいは、HDLコレステロールを差し引いた総コレステロールが高いという異常な状態は、いずれも動脈硬化を促進させます。
動脈硬化が促進すれば、脳梗塞、心筋梗塞、狭心症などをリスクを高めることになるでしょう。
脂質異常症を改善するには、もちろん食習慣の見直しが必須ですが、運動面においては、ウォーキングやランニングといった脂質をエネルギーとすることができる有酸素運動は最適です。
汗腺の機能改善
人は体温が上昇すると、汗をかくことでその熱を放散し、再び体温を調節するという仕組みがあります。
その汗が作られるところが、皮膚の真皮にある“汗腺”です。
汗にまつわる話をしていると、「良い汗はサラサラしていて、悪い汗はベタベタしている」といった表現を一度は耳にしたことがあるかと思います。
通常、汗は血液から作られ、皮膚から出ていきます。
ただし、そのままだと大量のナトリウムを失ってしまうので、実際は、皮膚から出ていく前にナトリウムは再吸収され、その濃度を薄めた状態で出しているのです。
この過程がおこなわれるのが正常な状態で、いわゆる“サラサラした良い汗”ということです。
しかしながら、運動習慣がなく汗腺が機能低下していると、汗をかく際に、一気にたくさんの汗をかいてしまいます。
このような汗のかき方は、ナトリウムの再吸収が追いつかず、大量のナトリウムを失うことになります。
これが、“ベタベタした悪い汗”ということです。
ランニングをすることで、汗腺の機能は改善され、体温が上昇した際に早い段階で汗をかけるようになります。
これがとても大切で、早期に汗をかけることでナトリウム濃度の低いサラサラした汗をかけて、体温調節も上手くなることで、結果として心筋の負担を抑えられ、心拍数の増加も防ぐこともできます。
肌のコンディションが良くなる
ランニングは肌のコンディションを良くしてくれます!
そのポイントとなるのが、“バリア機能の強化” “保湿効果” “抗菌効果”です。
運動で適度な汗をかくことで、汗と皮脂腺から分泌される皮脂が混ざり合い、“皮脂膜”を形成します。
この皮脂膜が肌を覆うことでバリア機能として働き、外部との摩擦などから肌を守ってくれるのです。
また、汗には様々な物質が含まれています。
例えば、尿素や乳酸といった、“天然保湿因子(NMF : Natural Moisture Factor)”が、肌の保湿効果として活躍してくれます。
水分自体も角質層に取り込まれることにより、肌に潤いを与えます。
その他にも、汗に含まれる、抗菌ペプチド“ダームシディン(dermcidin)”は、表皮に存在する様々な微生物に対し、抗菌作用を示すといわれています。