人にとって食べ物がエネルギーであることは、皆さんご存知かと思います。
ですが、食べていきなり燃焼されているわけではないことをご存知でしょうか?
今回は、この食べ物の燃焼の仕組みについて、書いていこうと思います!
エネルギー代謝を知ろう!
糖質や脂質からエネルギーを作り出す仕組みをざっくりとご説明します。
まず、糖質や脂質というのは、どこで燃焼されているのかというと、これは“細胞の中”です。
もっと詳しくいうと、その細胞内の“ミトコンドリア”という細胞小器官で、エネルギーを作り出すことで燃焼されます。
したがって、正確には、糖質や脂質はいきなり燃焼されているわけではなく、それらを原材料として「ATP : Adenosine Tri Phosphate(アデノシン三リン酸)」というエネルギーを作り出すことが、いわゆる燃焼されるということとなります。
このATPは、ミトコンドリア内で絶え間なく合成されており、その量は1日あたりおよそ自分の体重ほどと言われています。
50kgの人は、毎日50kgATPが合成されています。
ATP合成酵素の大きさが、10ナノメートル(1億分の1メートル)と言われており、ATPはそれよりも小さいので、50kgというととてつもない量が毎日作られていることになります!
この私たちの“命の源”ともいえる「ミトコンドリア」については、色々と面白い話があるので、また次の投稿で書かせていただきます!
ATPとはなにか?
ATP(アデノシン三リン酸)とは、簡単にいうと、人体の様々な器官が共通して使うことができるエネルギーで、よく“通貨”に例えられます。
通貨がまだ存在しなかった時代には、なにか欲しいものがあったら自分が持っているものと物々交換する必要がありました。
しかし「通貨で物を買うことができる」というルールができてからは、どんな物でも通貨を支払えば、物が買えたり、サービスが受けられるようになりました。
まさに、ATPとは人体における“通貨”で、様々な組織でその通貨を支払うことにより、多様な生命活動をおこなっています。
ちなみに、この下の画像がATP合成酵素です。
なんとも不思議な見た目ですね。
ATPの役割とは?
じつは、ATPをエネルギーとしているのは人間だけではありません。
生物全般はもちろんのこと、植物もATPをエネルギーとしています。
私たちヒトでは以下のような役割で使われます。
- 筋収縮時のエネルギー
- 物質の代謝
- 物質の輸送
- 熱産生
面白いところでいうと、ホタルが発光する時や、電気ウナギ、電気ナマズなどが発電する時にもATPはエネルギーとして使われています。
まとめ
なんとなく、イメージとして食べ物がそのままエネルギーとなっていそうな感じではありますが、
じつはそれが代謝されて、ミトコンドリアによって作られたATP(アデノシン三リン酸)が私たちの本当のエネルギーです。
このような仕組みがあるから、私たちはとくに問題なく生命活動を維持することができています。
しかしながら、なぜこのような仕組みが備わったのかは未だ解明されていません。
これも人体の不思議ですね。
次回は、そのATPを作る器官「ミトコンドリア」について書いていこうと思います!